採用で合格者を決める時は、絶対に妥協しないでください
絶対にです!
これを聞いて「妥協しないと人が不足するじゃないか。何言ってるの?」と感じたのでしたら非常に危険です。
あなたの会社は、ずっと人で苦労します。
なぜ、そう言い切れるかというと、当事務所では人で苦労する多くの会社を目の当たりにしてきたからです。
そして、人で苦労している会社は、例外なく採用で妥協しているからです。
どんな実態を目の当たりにしてきたのか?
ここでは、実際にどんなのを見てきたかと言うのを例を挙げて説明したいと思います。
こうやって採用で妥協している
当事務所では、クリニックや動物病院のオープニングをお手伝いすることがよくあります。
その際に、理由を伝えた上で必ず上記のように「妥協しないように」と伝えます。
最初はお客さんも、「そうなんだ。妥協しちゃダメだな。」と理解してくれます。
しかし
採用活動が進み、オープンの日が近づいてくると事業主は焦ってきます。
3名採用したいのに、まだ1名しか決まってないというときなんて、どんどん焦ってきます。
そして、ほぼ例外なくこう考えるようになります。
「このまま、決まらなかったら人不足で仕事がまわらないかも」
「(手元の履歴書を見ながら)こうなったら、この中から何とか1名採用しよう」
こうなってしまうと、当事務所がいくらアドバイスをしても聞き入れません。
とにかく採用して人不足を解消することに重点を置いてしまうわけです。
そして、実際に今応募が来ている人の中から、なんとか妥協して1名採用します。
「これで、何とかなりそうだ」
事業主さんは、なんとか人が揃ったことで安心しますが、この段階では後で何が起きるか分かっていません。
妥協して採用した人は問題を起こす
さぁ、人も揃ったし、いよいよオープンです。
事業主さんは、人生をかけた起業なので、張り切って頑張ります。
「どうやってお客さんを増やそう」
「どうやってお客さんに満足してもらおう」
「どうやってサービスを向上していこう」
こんなことを含めていろんなことを考えます。
しかし、すぐにそんなことも考る時間が無くなってしまうんです。
そうです。妥協して採用した社員が問題を起こします。
およそ、次のパターンのどれかです。
事業主と考えが合わない
事業主と考えが合わないので、仕事に力が入りません。
しかも、休憩室などで他の社員に対して会社の愚痴を延々と言ったりします。
そのせいで、人間関係も悪くなるなど、後々面倒な対応が待っています。
突然出勤してこなくなる
理由も告げずに、ある日から突然出勤してこなくなるパターンです。
この場合、電話しても出ませんし、メールしても返信がこない。
辞めたいかどうかも分からないので、面倒な対応が待ってます。
空気が読めず、人間関係をぐちゃぐちゃにする
いろんなパターンがありますが、とにかく人間関係をめちゃくちゃにして、勝手に辞めていくこともよくあります。
結局、ぐちゃぐちゃの人間関係が残りますので、面倒な対応が待っています。
仕事が出来ない、覚えが悪い、やる気も足りない
一番多いパターン。
このタイプの人は、「自分は頑張ってる」と思ってるので更にたちが悪いです。
根気強く教えても、同じ失敗を繰り返しますし、とにかく仕事が出来ないので、会社としては辞めてもらいたい。
でも辞める雰囲気は無い。
法的にも正当な手順を踏んで解雇したとしても、このパターンの人は「何でこんなに頑張ってる私が解雇なんですか!」「不当解雇だ!」「弁護士に言って訴えます!」と鼻息が荒いケースが多いです。
正当な手順を踏んでいますので、法的な争いになっても会社は勝ちますが、その対応に時間とお金と気苦労がかかります。
どのパターンになったとしても、結局新しい人を募集することになるので、本当に二度手間。
それなら、最初から妥協せずに良い人を採用すればいいじゃないかと言うのが私の考えです。
これと同じことは、新規オープンだけでなく中途採用でもいくつも見てきました。
人材不足の苦労より、問題社員への対応の方が辛い
事業主は、とにかく人材不足による苦労を嫌います。
日々の仕事が大変になるので、気持ちは分かります。
だけど、これははっきり言えます。
人材トラブルに巻き込まれた人なら分かると思いますが、本当に本当に本当に苦労します。
日本には、労働基準法や労働契約法という法律がありますので、労働者の権利が強力に保護されています。
問題社員であっても、この法律が適用されます。
そして、問題社員ほどこの法律による権利を主張します。
そのため、この問題解決には最低でも数ヶ月、長引けば1、2年はかかります。
本当に本当に本当に苦労します。
この苦労をくぐり抜けて、事業主はやっと気がつきます。
人材不足の時の苦労は、みんなで頑張れば切り抜けることができる。
しかも、それは新しい人を採用するまでの苦労だ。
問題社員の対応は、他の事が出来なくなるぐらいパワーがいる。
しかも、いつ解決するかは先が見えない
そうだ
採用で妥協してはダメだ
喉元過ぎれば熱さを忘れる
当事務所のサポートもあって、問題社員への対応がやっと完了しました。
事業主も新たな人材の採用に力を入れます。
そこで、毎回感じる事があります。
あれだけ問題社員に振り回されて、採用で妥協してはダメだと痛感したはずの事業主
しかし、採用活動が進んでくると、ナント妥協しようとするんです!
応募者が少ないと、条件を緩和しようとしたり
応募者が来ると、とにかくその中から採用しようとしたり
いったい今までの経験はどこに行ったの?と思います。
まさに、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」です。
このまま行くと、ロクなことがありません。
だから、当事務所は耳にタコができるまで何度でもこう言います。
採用で合格者を決める時は、絶対に妥協しないでください
絶対にです!