減給処分を行うまで、何度も注意をして改善を促すなど、処分には最善の注意をしたつもりです。本当に法律違反になるのでしょうか?
減給処分は、就業規則上の処分であって、損害賠償ではありませんので、就業規則に減給処分の理由が定められていて、正しく運用されていれば法律違反とはなりません。
もっと詳しく
まず、労働基準法16条が、何を禁止しているか確認してみましょう。
(賠償予定の禁止) 第十六条 使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。 |
これは何を意味するかといいますと、次のような契約はしてはいけませんよ!ということです。
例えば
「入社して、パソコンを壊したら損害賠償を30万円とする」とした契約や
「年に3日休んだら罰金2万円」のように一定額を支払うことを約束した契約は禁止!と言っているだけです。
(実際にこうむった損害について、請求することを禁止しているのではなく、初めから○○したら○円!という契約をしてはダメという意味)
つまり、就業規則上の処分である減給処分について言っているわけではありませんので、今回質問にあった社員が言っていることは、全く関係ない条文を持ってきて、法律違反だ!と騒いでいるということになります。
あとは、今回行った減給処分が重すぎるかどうかという処分の有効性について争ってくる可能性があるかと思います。
しかし、今回のケースでは何度も注意を行っている点や改善を促していた点、それでも直らなかったということであれば、処分は有効である可能性が高いと思われます。
(このあたりは個別のケースで判断することになります)