今回、社員に結婚祝金を支給することになりました。
この結婚祝金に雇用保険料はかかるのでしょうか?また、社会保険料の算定の基礎に含める必要があるのでしょうか?
結婚祝金は事業主が恩恵的に支給するものなので、雇用保険料はかかりません。
また、社会保険料の算定の基礎に含める必要もありません。
もっと詳しく
結婚祝金、災害見舞金、病気見舞金などの事業主が恩給的に支給するものには、雇用保険料・社会保険料はかかりません。
当然、労災保険料の対象からも外れるので、労働保険料の年度更新の際に上記のような給付金は保険料の計算から外して大丈夫です。
「賃金としないもの」の中に結婚祝金の記載がある
根拠2 日本年金機構 標準報酬月額の定時決定及び随時改定の事務取扱いに関する事例集
問「報酬・賞与にはどのようなものが含まれるか。」
事例4:事業主が恩恵的に支給するものは労働の対償とは認められないため、原則として「報酬等」に該当しない。【例】見舞金、結婚祝い金、餞別金
では、残業計算の基礎に含めるの?
結婚祝金などが各種保険料計算対象外というのはお伝えしましたが、これらは残業計算の基礎に含める必要があるのでしょうか?
結論から言うと含める必要はありません。
なぜなら、結婚祝金などは労働基準法施行規則第21条に定められている「臨時に支払われた賃金」にあたるとされているからです。
では、労基法上の「賃金」にあたる?(ちょっとマニアック)
基本的には上記の2つを知っていれば、運用上には十分な知識となります。
しかし、平均賃金を計算しなければならなくなった時など、結婚祝金を含める?含めない?という疑問が湧いてきます。
こちらも結論をスパッとお伝えすると
就業規則などで結婚祝金の支給条件や金額が明確に定められている場合は労基法上の賃金として含めます。
逆に、上記が明確になってない状態で社長のざっくりした気分で何となく支払った場合は労基法上の賃金に含めません。
退職金、結婚祝金、死亡弔慰金、災害見舞金等の恩恵的給付は原則として賃金とみなさないこと。但し退職金、結婚手当等であつて労働協約、就業規則、労働契約等によつて予め支給条件の明確なものはこの限りでないこと。
今回のポイント
- 結婚祝金に雇用保険料はかからない。
- 労災保険料もかからない。
- 社会保険料の算定も対象外
- 残業の計算の基礎からも対象外。
- 労基法上の賃金となるかどうかは、規則などで明確化されているかどうかによる。