給料のなかなか上がらない現代
そのため、毎月の生活費を稼ぐためなのか、あえて仕事をゆっくりこなしてダラダラと残業をする社員が見られます。
でもこの行動、実を言うとかなり損しています。
社員は残業代を稼いでいると勘違いしているようですが、はっきりいって損をしています。
もちろん、会社は無駄な残業代を払っているので損をしているというのは分かりやすいですが、実は社員も損をしています。
なぜ、損をしているか?
それは、会社が正しい運用を行っていた場合、社員の年間収入が残業をしてもしなくても同じだからです。
あっ。勘違いしないでください。
残業を払わないから同じと言うわけではありません。
会社の人件費の仕組みを考えると、どう考えても社員の年間収入が残業をしてもしなくても同じだからです。
なぜ同じになるのか?
話が大きく変わるように感じるかもしれないのですが、最終的に上記の話につながりますので、ボーナスについて話をします。
社員のモチベーションを上げるボーナスの払い方
多くの会社で行われているボーナスの決め方
基本給の○倍という考えはもう古い!
もっと、社員が納得できてやる気にもつながる計算方法があります。
そもそも、基本給の○倍というようにしないといけないというルールはどこにも存在しませんし、そうする必要性もありません。
ボーナスをもらった社員は、皆こう感じます。
前回は○倍だった。今回、何で自分は○倍になったんだろう。
会社は、このように社員に質問されたらどう答えますか?
多くの会社は、ボーナスの総額をふんわりと決めて、各社員の評価からおおよそ○倍ぐらいだろうと考えてExcelなどに入力して決定しています。
そのため、そんな質問をされても答えれるはずがありません。
本当にもったいないなぁといつも感じます。
何がもったいないかと言いますと
ボーナスの計算方法を改良すれば、社員のモチベーション、業務の改善、会社の売上に大きなプラスをもたらすからです。
社員のモチベーションにつながるボーナスの決め方とは
そもそもボーナスは、利益の還元という意味合いが強いのですが、利益の還元と言うからには、どのように還元されるのかというのを社員に説明していない会社が多すぎます。
まずは、上記の説明を社員にしてください。
社員のモチベーションにつなげるには少なくとも、ボーナスの総額を決める仕組みを社員に説明して理解してもらう必要があるからです。
まず、人件費の仕組みです。
おおよそ、人件費と言うのはこのような仕組みになっていますが、これも社員に必ず説明する必要があります。
人件費の仕組み(労働分配率を50%とした場合)
人件費と言うのは、上記のように決められるということ。
売上げから、売上原価を引いたものが粗利益、そしてその一部が人件費になる。
そもそも、多くの会社はこれを説明しませんので、社員の多くはこんなこと知らないのです。
だから、「何で私の給料は上がらないんだ」「今回のボーナスはなぜこの額なんだ」という疑問や不満が発生します。
その次に、人件費の内訳についても説明する必要があります。
人件費の内訳(おおよその例)
人件費と一言で言っても、通常の給与、残業、ボーナス、福利厚生などに分かれます。
この仕組みを説明すれば、次のようなことが分かってきます。
ダラダラ残業が増えて、残業代で稼ごうとする社員が増えるとどうなるか。
人件費の内訳(残業代で稼ぐ社員が増えた場合)
ダラダラ残業をすれば、残業代が増えて、その分ボーナスの原資が減り、自分がもらえるボーナスが減るんです。
この事実を知らない社員が多すぎるんです。
逆に、業務改善を進めて、社員が定時で帰れるようになるとどうなるか
人件費の内訳(業務改善により定時で帰れる場合)
早く帰れるようになったので、残業代が減りましたね。
そして、その分ボーナスが増えています。
先ほどまでの表を5人分の人件費だとすると
残業を月に25時間した場合の年収
無駄を省き、残業せずに勤務した場合の年収
業務改善を進めると、定時で帰れるようになったのにもかかわらず年収は同じです。
ダラダラ残業がどんなに意味がないか、そして業務改善がどんなに意味があるかが社員にはっきりと伝わるはずです。
どちらが社員にとって幸せかは一目瞭然ですね。
更に業務改善を行って、売り上げがあがるともっと幸せに
ここまでは、売上げそのものは変わらないという前提で話をしてきました。
ですが、実際は違います。
何が違うかというと、社員の意識が変わって業務改善が進むようになると、売上げにも大きな影響を与えるようになります。
・業務改善を行う
・サービスの品質が向上する
・顧客の満足度が高まる
・売上と利益が上がる
・ボーナスがアップする
・社員のモチベーションが高まり、更に業務が改善される
自分たちが頑張って、会社の利益を向上させることができれば、自分のボーナスとして跳ね返ってくる。
やれば、自分に返ってくる。
この認識を社員に植え付けることができれば、会社は好循環に入ることができるわけです。
もちろん、これまでの話は、利益が上がれば会社は必ず社員に還元するという約束があっての話です。
そのため、会社は労働分配率を毎年ほぼ一定にすることを社員に約束してください。
そうすることで、利益が上がればボーナスの原資が増え、利益が減ればボーナスの原資が減るということが確定します。
そうなることで初めて、社員は頑張れば自分に返ってくるし、頑張らなければそれもまた自分に返ってくるということが実感できるわけです。
自分に返ってくるか分からない状態から、自分に返ってくると約束された状態になるとどうなるか。
そうなれば、社員が頑張るということは容易に想像できますね。
では、肝心の分配方法はどうすれば良いのか?
今回の話は、人事評価、残業管理、ボーナスの分配方法が複雑に絡んでいますので、少しややこしくなっています。
しかし、これらを職場に合わせて上手く運用してボーナスの原資を明確にして、それを正しくボーナスとして分配することで、社員のモチベーションは明らかに変わります。
では、肝心のボーナスの分配方法はどうすれば良いのでしょうか。
基本給の○倍という古いやり方ではなく、どういったやり方にい変更するのか?
ごめんなさい。
この詳細は、当事務所のクライアントのみに説明している事項です。
誰でも無料で読むことができるこのHPで説明してしまうとクライアントからお叱りを受けてしましますので、公表は控えさせてください。
ただ一つ確実に言えることは、「頑張って貢献した社員が得をして、そうでない社員が損をする仕組み」であるということです。
これはもっとも大切なことですので、これから上記の仕組みを実施しようと考えている企業は、特に注意して制度設計を実施していただきたいと思います。