辞めた社員社員に残業代を請求されたときに会社がよくやる反論
「残業代無しということで社員と合意していた」
「入社時に社員に説明して合意した」
はっきり言うと、この反論は全く意味がありません。
なぜなら、労働基準法は強行法規なので、当人同士の合意があったとしても残業代の支払い義務はなくならないからです。
また、「公序良俗違反」として、このような合意は無効になるという面もあります。
現実問題として、「残業代無しで合意していた場合」は、(というより残業代は無いと会社から一方的に通知しているケースでは)社員から残業代の請求があることは少ないのでしょう。
そのため、経営者は「残業代無しで合意すれば問題ない」と勘違いしてるケースが多いのです。
実際の裁判でも、こういった主張をするケースがあるようですが、これは完全に否定されています。(「オフィステン事件」大阪地裁平成19年11月29日判決など)
結論として、「残業代無しということで社員と合意していた」としても、社員から残業代を請求されれば、会社側は100%負けます。
裁判で変な主張をすることにより、付加金で支払額が増えることもあります。
会社としては、このような無駄な反論をするのではなく、
- 法律で認められている残業対策を行う
- 業務の効率化を進める
- 無駄な残業時間を削減する
などの対策に時間を使った方が何倍も効率的です。