当社は、保険代理店業務を行っています。
社内には、営業担当の保険外交員がいますが、この保険外交員にも労働保険・社会保険を適用しないといけないのでしょうか?
なお、当社の保険外交員は、出社時間・退社時間・出社日などに決まりはなく、自己の判断で自由に働いています。
交通費や仕事に使用するパソコン、消耗品も保険外交員が負担しています。
保険外交員が、労働保険・社会保険の加入対象になるかどうかは、その勤務実態が「従業員」なのか、「個人事業主」なのかによって判断されます。
もっと詳しく
対象の人物が労災保険・雇用保険・社会保険の加入対象になるかどうかは、「保険外交員」という名前は関係なく、その勤務実態で判断されます。
時間管理がどうなっているか、指揮命令がどうなっているか、外出中も携帯での連絡を義務付けているかどうか、行動を逐一支持しているかどうか、交通費を誰が負担しているか、パソコンや消耗品は誰が費用負担しているかなど、総合的に判断されます。
普通の会社の社員でしたら、上司からの指揮命令のもと、営業に向かって日報などで報告しますし、その交通費は会社が負担します。
もちろん、使用するパソコンや消耗品も会社が負担するのが通常です。
こういったケースでは、「従業員」と判断されて労働保険・社会保険の対象になるわけです。
反対に、出勤日や出勤時間は自由、逐一管理されているわけでもなく、交通費も個人持ち、使用するパソコンや消耗品も個人持ち、こんなケースでは、「個人事業主」と判断される可能性が高くなります。
そうなると、労働保険・社会保険の対象外となります。
そのため、ご質問のケースでは対象外となる可能性が高いと考えられます。
このケースでは、雇用契約より勤務実態がポイント
他のケースでは、雇用契約書の内容が非常に重要ですが、このケースでは雇用契約書の内容より実際が優先されると考えられます。
例えば、契約書の内容が「委託契約」の形になっていたとしても、勤務実態は明らかに「従業員」という場合は、労働保険・社会保険の対象となる可能性が非常に高いです。
つまり、社会保険の適用逃れのために契約書だけを委託契約にしたところで、実態を判断されれば加入の指導を受けることになりますので注意が必要です。
※今回のケースに限らず、雇用保険・社会保険の場合は勤務時間や勤務日数などの要件によっても変わってきます。今回の回答では、週30時間以上の勤務を想定しています。
金融庁から、2014年1月16日付で保険外交員に関する適正化の要請が出たことにより、直接雇用が原則となりました。
そのため、今後は労働保険・社会保険の対象となることになります。